はじめに
◎このサイトの情報は、鎌倉介護ガイドのスタッフが神奈川県鎌倉市内の介護関連施設を直接取材し、作成しています。まず始めに「ご利用にあたって」をよくお読み下さい。
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介護保険が始まってから介護は「サービス業」と言われるようになりました。特養などの福祉的施設でもサービスとしての内容が問われるのです。それに対して施設側はどのように応えようとしているのでしょうか?
今回は玉縄地域にある特養・ささりんどうの研修会におじゃましました。昨年施設長がアメリカ出身の若いマシュウ氏に代わりました。施設長はサービス業として、職員の研修に力を入れていると語ります。今回の講師はふれあいの泉の施設長福島さん。約30人の職員を前に接遇のマナーについて語りました。
福島講師は介護のプロとしての「ホスピタリティーマインド」(親切なもてなしの心)を持ち、言葉づかいをていねいに、目線を同じ位置にすることや相手が何を求めているかをキャッチして明るく受け止めることの重要性を強調しました。このような心がけが入居者の状態に影響を与えるだけではなく、家族や周囲の雰囲気も変えるとうかがいました。声かけの例や前向きに話しかける実演、質疑応答を含めて約1時間。いいチームを作っていい介護を実践してほしいという講師のアツイ思いが伝わります。
ここ数年で、サービスの受け手も出し手も意識が変わったと言われます。いまや施設であってもホテルと同じような接遇を求められる時代。対応する施設側は負担も増えますが、若い職員が熱心に講義を受ける姿からも変わっていこうという意気込みが伝わって来る研修会でした。
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雨続きの今夏では珍しくスカッと晴れた8/8(土)の夕方から、鎌倉関谷地域にある老健 鎌倉幸寿苑の納涼祭にうかがいました。
老健は医療施設。地域への一般開放には制度的に限度があるのだそうで、納涼祭は年に一度の機会とのこと。この日のためにスタッフは3ヶ月間準備をして、入居者はもとより家族や地域の方をお呼びします。エントランスを入るとロビー階ではいくつかの地域の方たちが手作りのお菓子やパン、アクセサリーや小物を販売しています。会議室はフリーマーケット場に変わりました。
メイン会場の屋上テラスでは地域から借りてきたという提灯に明かりがつき、特設ステージでは子どもたちのお囃子も披露されます。焼き鳥やおでん、焼きそばの模擬店は大繁盛。施設職員のほかに民生員さんたちも売り子さんとして手伝っています。子ども神輿が屋上を練り歩いた後、いよいよ日も落ちてフラダンスが始まりました。なぜか男性も女性と同じフラの衣装で踊りますが、何カ月も前から特訓を重ねたかいあって、とても華やかでユーモラス。参加者の笑顔を誘っていました。
この納涼祭は年々参加者が増え、今では500人以上が訪れるとうかがいました。納涼祭と学校の体験授業受け入れが、幸寿苑での地域との接点なのだとか。準備の丁寧さとスタッフのホスピタリティーから地域への思いが伝わります。一方、お手伝いをする地域の皆さんからも「支えていこう」という気持ちが感じられました。
多くの施設が、開設時は地域とのコミュニケーションをどうとっていくかで苦労があると聞きます。9年間で相互に理解を重ねた幸寿苑の納涼祭は「そんな苦労」の解決方法の一つを示しているようにも感じられました。
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認知症講座がこの地域でも頻繁に開かれるようになってきました。高齢化が進む中、80歳以上の一割近くが発症するという認知症に対して、理解を深めることが重要になってきたためです。4月に鵠沼の小規模多機能居宅介護ホームまちかどメンバーズ倶楽部鵠洋で開かれた認知症講座は大船の信愛クリニックの院長・井出先生が講師で介護家族や介護職が20名以上出席しました。井出先生は認知症とは何かから話しだされましたが、「認知症は治りません」とはっきりとおっしゃいます。講座では参加者同士が治らない認知症者に対し介護の目的や目標を話し合うことで、巧みにゴールを抽出します。そのうえで認知症ということを認め、介護や生活の中でそれに対応した工夫をすることの大切さを強調されました。また一人で決して抱え込まず、施設やサービスを利用することで介護者の負担を減らすことを提言なさいました。
5月に鎌倉市の福祉センターで開かれた認知症ケア研究会は市内の介護職を中心に約45名が参加しました。先に開かれた認知症の事例紹介の様子と、その後のケアについて報告がありました。具体的な事例をあげ、ケアの方法を参加者同士が話し合い考えることで、方向性が出て介護者が元気をもらったとのことです。そのひとによって症状がことなる認知症の難しさと、話し合うことの重要さ。現場で迷いながらケアする介護職の孤独も垣間見えました。
来る7月11日には「認知症地域支援フォーラム」が鎌倉市福祉センターで開かれます。認知症になってもその人らしく暮らしていけるための支援と町づくりについて話し合われます。
こうした講座に出るにつけ、認知症の症状は千差万別で症状を持った人や家族が自分らしく暮らしていくために、家族や介護者、地域の人が話し合い、連携して支え合うことが必要なのだと感じます。
◆認知症になっても地域でその人らしく暮らすために(フォーラム)
日時:2009年7月11日
場所:鎌倉市福祉センター
対象:認知症に興味ある市民
参加無料
主催:鎌倉市市民健康課
お問い合わせ&参加申し込み:0467-61-3976(鎌倉市市民健康課)
内容:
午前の部10:00~12:00
認知症介護研究・研修東京センター 永田久美子氏の講演
午後の部 13:00~
報告 認知症の福祉体験学習(手広中学生) サポート会活動(かまくらりんどうの会)
シンポジウム 認知症になっても安心できる地域づくりとは
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老人ホームの入居者さんが子どもたちと一緒に交流する時間があるとうかがって訪ねました。藤沢にある有料老人ホーム・サンフォーレ鵠沼の明るいダイニングで入居の高齢者さん15名が、いまかいまかと子どもたちを待っています。そこに幼児教室スコーレに通う2~6歳の元気いっぱいの子どもたち17名がやってきました。子どもたちはごあいさつした後、入居者の間に入ってさっそく手遊び歌をひろうします。「アンパンマンの歌」「ひげじいさん」「糸をまき」など、高齢者にはやや新し目の曲ですが、躊躇することなく自然な流れで手遊びに参加し、子どもたちにも入居者にも笑顔がこぼれます。
いよいよ工作の時間。今日のテーマは「丸」。アートセラピーを担当する篠原さんがいろんな丸いものを出し、「丸」渡しゲームの始まりです。ボール、丸こんにゃく、ゆで卵。でも篠原さんは「もの」の名前を教えません。シニアさんからこどもへ子どもからシニアさんへ次々に「丸いもの」を渡しあって行きます。ものの正体を感覚を頼りに「なんだろう?」と推理もします。丸いものがみんなの手から手へ一周し終わって戻ってくると、ようやくタネ明かし。正体がわかると、な~るほど、とうなずく参加者もいます。
そんなゲームが終わると、今度は色とりどりに着色した卵の殻が渡されました。これを割って、両面テープがついた黒く丸い台紙に張り付けていくのです。ボランティアのスタッフが見守る中、子どもたちは熱中し、高齢者がちょっと手助けすると、台紙は見る間に殻で色鮮やかになっていきます。
黒丸台紙を集めてさらに大きな台紙にはると・・・大きな花咲く樹になりました!
「うわあ・・・」子どもたちと入居者から歓声が上がりました。バラバラに作った黒丸台紙がひとつの大きな絵になったのです。子ども
がその樹に名前をつけて工作は終了です。子どもたちはさらにお遊戯を披露し高齢者にタッチして「またくるね」と帰って行きました。
今回のアートセラピーは丸をテーマに、触ること、渡しあうこと、作ること、興味を持って形を見ることでお互いを刺激しました。参加者は「次はなんだろう」というワクワク期待して、次第に豊かな表情を見せてくれます。見守っていた施設のスタッフが教えてくれました。「シニアさんは子どもたちから生きる元気をもらうみたいです。子どもが来るとちょっと疲れるけれど、とても楽しい、とおっしゃるんですよ。生活のほとんどに介助が入る状態のシニアさんたちが、子ども達に会うことで、自分が世話をし
てあげたいという気持ちに自然なるのは素晴らしいことです。私たちも普段より気を使いますが、1ヶ月に一度の子どもたちとの出会いの時間が大好きなんです。」
幼児教室の先生もおっしゃいます。「こどもたちは最初シニアさんたちの顔が同じに見えると言っていましたが、今はみんな違うんだとわかっています。次はシニアさんにこんなことしてあげようよ、こんな歌なら喜ぶよ、と自分たちで話すほど高齢者のことを考え、一緒の時間を楽しみにしているんです。」
子どもたちと高齢者が交流し、あったかくって豊かな時間を共有しているようでした。
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毎月1回、由比が浜にある特養鎌倉静養館で紅茶ボランティアが開かれています。もともと皆さんに紅茶の美味しさを楽しんでもらいたいと、1年前から子育てママで紅茶インストラクターの青野さんが入居者さんに、選びに選んだ紅茶をふるまったのが始まり。それなら私たちもとお仲間のママ達が手伝い始め、どなたかが子どもを連れて来たのが好評だったことから、いつの頃からか入居者さんと子連れのママとのおいしい紅茶をはさんで共に過ごす「まったりした時間」になりました。
3月のこの日は2歳になるひろくんとしょうこちゃんがママ達と一緒にやってきました。約20名の入居の皆さんが入れ替わり立ち替わり施設の用意してくれたケーキで青野さんの入れてくれた香り高い紅茶をママたちといただきます。
ふだん静かに過ごす入居の皆さんには子どもたちの休みなく動く元気や人みしりの思うように行かない様子も、いつもとちがう刺激なのでしょう。「かわいいね」「けがさせないでね」「げんきだね、いくつ?」そんな声と慈しむような目線が子どもたちにそそがれます。子どもから目を離せなくって仲間としか話す機会がないママたちも、今日はたくさんの見守りがあって安心してくつろいだ気分のようです。
たわいないおしゃべりとおいしいお茶のティータイム。高齢者子育てママ双方に心地よい紅茶ボランティアは特養鎌倉静養館では今回限りの定期開催となりました。でも子育てママと高齢者は紅茶の後も立ち去りがたいようで、「また会おうね」そんな香りを残しながらおひらきとなりました。来年度は不定期ながらも再開の機会が設けられるようです。
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さる2月14日(土)「排泄ケアが暮らしを変える」という講演会が神奈川県民ホールで開かれました。主催は福祉用具を扱う福祉クラブ生協W.Coエール、講師は高齢生活研究所長の浜田きよ子さんです。浜田さんは京都で排せつ用具の情報館「むつき庵」を運営しています。内容は排泄のしくみや主な失敗の原因、用具やおむつの正しい使い方などで、男性も含む家族や介護者、ケアマネ等150名以上詰めかけ、非常に熱心に聞き入りました。
浜田さんはご自身の母親の介護をきっかけに高齢者の暮らしを広げる道具について研究し、2003年におむつやポータブルトイレなどの排泄用具を展示、研修、相談する場として「むつき庵」を開設しました。排泄は生活の重要な部分ですが、プライバシーにかかわるので相談しにいうえ用具を手に取れない、という厄介さがあります。答える形で設立されたむつき庵は開設初年度に2000人の来訪者を迎え、現在は研修で多くの人に排泄用具の正しい使い方を伝え、利用者の相談に応じています。また高齢者施設との密接な連携のもと、使い勝手や介護の場面にあった使い方の実験や研究も行っています。ここからたくさんの研
修を受けたおむつに詳しい人=オムツフィッターが全国に巣立ち、正しい排泄用具の使い方を伝えています。神奈川を含む全国に規模を小さくしたミニむつき庵も登場しています。
そうした活動を背景に浜田さんは排泄ケアについて、失禁の原因把握、ベットの高さや向き、ポータブルトイレの位置などの環境整備、適切なタイミングでのトイレ誘導や自立を支える介助の重要性を、豊富な事例や図などで説明しました。圧巻は壇上でいくつものおむつを見せた後、モデル(むつき庵で研修
を受けたスタッフたち)を使ってのおむつのあて方の実演。体や状態に合ったものを選び正しく当てれば、余計な隙間ができずに体にフィットして、寝返りを打ってもモレやムレを防げることが見ている前で示されます。正しい使い方で尿意を取り戻しおむつがはずせるようになった事例やおむつが変わって姿勢がよくなり、そのことで食事もしやすくなったとの声もあることが紹介されました。
「相談しにくさや介護の都合から、本人の快適性を考えずにおむつが安易に、不適切に使われることがしばしばあると言われる介護の現場。しかしこれは本人の自立を妨げ、結果的に介護の負担もふやすのです。高齢者が自分らしく豊かに生きることを大切に考え、そのためにおむつなどの福祉用具を上手に活用することが重要です」と浜田さんは強調します。説得力のある言葉とデモンストレーションで、福祉用具の状態にあった正しい使い方の重要性を参加者は改めて認識した講演会でした。
むつき庵のホームページは≫こちら
鎌倉介護ガイド 福祉用具のページは≫こちら
鎌倉介護ガイド 相談窓口のページは≫こちら
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【住所 アクセス】
鎌倉市稲村ケ崎4-10-45
TEL:0467-38-1313 FAX: 0467-38-1311
江ノ電 稲村ヶ崎駅より徒歩約10分
鎌倉駅よりタクシーで約15分
駐車場あり
http://swckishiro.com/inamuragasaki/
定員:65名 ショートステイ10名
【入居や退去】
国が定めた基準に従い、生活の困難度(介護度や家族の事情参照)によって入居が決まる。特に入居期間は定めず、入院して退院のメドが立たない等の場合以外、退去勧告はしない。待機者数は約400名弱。要介護度平均3.9で平均年齢86歳。8割が女性で、ほとんどがなんらかの認知症状を持っている。
【建物・居室】
稲村ガ崎、七里ガ浜の閑静な住宅街にあり、近くには西友や飲食店が立ち並ぶ商店街も。共通のリビングダイニングを真ん中に10室の個室が囲み、プライバシーを保ちながら共同で生活する全室個室のユニット形式(1ユニットのみ5室のところも)。1フロアに4つのユニットがあり、1~2階の住居区域で計8ユニットが設置されている。窓には障子を模した格子があり和の雰囲気をもつ個室は約8畳の広さ。室内に洗面台が設置され、トイレは隣接居室と共有。タンス、ベッド、机等が設置されているが、基本的には使い慣れた家具での自分なりの部屋作りを薦めている。フロアーに設置された風呂は1人用(家庭用ユニットタイプ)と機械浴がある。廊下や多目的ルーム、会議室等の共有スペースも広々している。
【サービスの特徴】
各ユニットが1つの家庭のように、リビングでご飯の炊き上がりを楽しみ、喫茶をしたりと「普通の暮らし」の営みを大切にしている。スタッフも入居者のこれまでの生活史に配慮して、個別に声をかけるよう心がけているとのこと。面会も多く、外出・外泊は自由。家族の宿泊も可。金銭は本人管理だが、ほとんどの利用者が持っていてもお小遣い程度。飲酒、喫煙は自由。週に1回歌やレクリエーションなどがある。毎週金曜日には玄関ロビーでボランティアの協力により喫茶「コーヒーポットりんどう」が開かれる。自主事業として、毎月第2金曜日には介護保険対象外の地域の人たちを対象に「稲村ガ崎いきいきサロン(健康体操、健康相談などの介護予防事業)」を実施し、施設と地域をつなぐ場となっている。
【費用の目安】
介護保険の1割負担分+居住費2,960円(1日)+食費1,620円(1日)。要介護3で約163,000円(所得に準ずる)。理美容代、個別にかかる嗜好品などは自費負担。
【運営母体】
社会福祉法人 きしろ社会事業会(昭和43年設立)前身は明石市のきしろ厚生病院、わが国初めての有料老人ホーム「日本綜合老人ホーム」。関連施設:軽費老人ホーム「きしろホーム」 特別養護老人ホーム「鎌倉プライエムきしろ」、二階堂デイサービスセンター。
【施設概要】
・延床面積:3,730.34平方メートル
・建物:鉄筋コンクリート造 地下1階地上2階建
・開設:平成19年4月
・スタッフ配置:1.9:1 夜間スタッフ4 看護師3
・協力病院:湘南記念病院
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地域密着の介護の切札と期待される、小規模多機能型居宅介護施設(通称 小規模多機能)。でも、どんな施設でどんなサービスかはよく知られていません。
小規模多機能は、登録した会員に対して「通い(デイサービス)」を中心として「訪問(ホームヘルプ)」「泊まり(ショートステイ)」を提供します。普段デイサービスとして使う施設に宿泊でき、信頼関係のあるスタッフが夜間も含めて訪問介護もしてくれます。短期宿泊費やデイサービスの昼食代等実費を除けば月額の利用料は一定。要介護度3の人の場合で24,684円の負担料で
す。デイサービスや訪問介護を何回利用しても費用は同じですが、一日のデイサービス利用者数は施設の広さ等によってきめられているので、ケアマネと相談し施設の枠内で使うことになります。この小規模多機能は2006年4月に改正された介護保険法で「小規模多機能型居宅介護」として制度化されました。現在鎌倉には2施設があります。今回はその一つ、まちかどメンバーズ倶楽部大船にお邪魔し、「切り札」の様子を拝見しました。
大船駅から近く、イトーヨーカドーや鎌倉女子大の裏手に当たる閑静な住宅地の一角に、同系列の有料老人ホーム・サンフォーレ栗田と並んで、まちかどメンバーズ倶楽部は立てられています。サンフォーレがちょっとおしゃれなロッジ風の外観なら、隣接し通路でつながるメンバーズ倶楽部は立ち寄りやすくきれいな「近所の町内会館」という風情。1Fは庭が見えるリビングを中心に休息室や風呂が設置されていて開放感があり、落ち着いた2Fにショートステイ用の5部屋があります。生活を大切にすることで衰えをできるだけ防ごうと言う介護の実体験に基づく方針のもと、室内はバリアフリーながら浴槽はちょっと深く、個室の通路は両手で壁を伝って歩ける広さなど、随所に自立を保つ工夫が見られます。壁際にはピアノや、利用者が制作した工作や絵が配置されてアットホームな感じ。日中はデイサービスとして、利用者が スタッフの手助けのもとそれぞれのペースに合わせてアクティビティに参加します。
この日は、ボランティアさんの弦楽コンサートの日。両施設の利用者、ご家族、立ち寄ったご近所の方も含めて懐かしい曲の演奏に聞き入っていました。お茶の時間は、サンフォーレ栗田と共同のキッチンから、手作りの薫り高いスコーンと紅茶がふるまわれました。顔馴染みがお声を掛け合い、いろんな人が交わる「まちかど」のようなくつろいだ一体感が広がります。「安心感を持って人と会うことが良い刺激になって、老化防止につながると思うんです」と笑顔で語るスタッフさん。ふだんから家族も訪れるので声かけや相談業務にも力を入れている とのお話しにもうなずけます。一人ひとりの個性を大切にしながら家族や地域とともに高齢者を支えていこうという姿勢が感じられました。
実際に小規模多機能を利用する際は、施設に所属するケアマネージャーを使う制度(内マネ制)になっているため、ケアマネが高齢者の生活状況を理解できる一方で、新規の登録者は以前の馴染みのケアマネから担当を変更することになります。今まで使っていた他の事業所のデイサービや訪問介護は施設のものに変えなければならない不便さもあるとうかがいました。施設側としては、複数のスタッフを常駐させる必要があり、採算が取りにくいと言った特質があります。まちかどメンバーズ倶楽部では隣接する有料老人ホームと運営を一体化し、経営上の難しさに対応しているそうです。
普段から通う施設で、泊まりでも在宅でも信頼関係があるスタッフが24時間365日いつでも介護を提供してくれるのは、過ごす方の穏やかな横顔が物語るように本人にも家族にも大きな安心感を与えてくれます。そんな小規模多機能のニーズはこれからますます高まりそうです。
■「鎌倉介護ガイド」小規模多機能型のページへ
【施設分類】 小規模多機能型居宅介護施設
【施設情報】
住所:神奈川県鎌倉市岩瀬1-10-21
電話番号:0467-43-5550
URL:http://www.sunforet.co.jp/m_ofuna.html
アクセス:JR大船駅徒歩15分
会員定員:25名、デイサービス定員(1日):15名
延床面積:120㎡
建物:軽量鉄骨/地上2階
開設:2006年11月
スタッフ配置:1:1.7
スタッフ人数:11名、看護師2名
施設内容:食堂兼コミュニティースペース、休息室、浴室(一般浴と機械浴)、トイレ、相談室
【費用の目安】介護保険の1割負担分+食費、宿泊費(6,000円/一日)は別途
例)要介護3で月約24,684円。
【運営母体】
(株)サンフォーレ
設立:1988年
関連施設:サンフォーレ鎌倉を筆頭に地域社会に密着した9から40人ほどの小規模形式で藤沢、鎌倉、大和、秦野に10以上の有料老人ホームを運営する。
※以上、取材による(データは平成20年10月現在のもの)
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高齢者とその家族は健康や今後の生活、介護保険の利用方法など様々な不安を抱えています。けれどもいざ介護が必要になると、どこに相談すればよいのかわからなかったり、窓口がわからずたらいまわしにあう場合があります。地域包括支援センターこと「包括」は、高齢者をめぐる不安や相談に対応するため保健、医療、福祉、介護保険、介護保険外とバラバラだった窓口を一本化して、2006年にスタートしました。
鎌倉市内では介護施設や福祉組織が委託を受ける形で、鎌倉、腰越、深沢、大船、玉縄の各地域に「包括」を設置しています。業務として専属の保健師(看護師)、社会福祉士、主任ケアマネジャーが相談を受け、内容に応じて要介護の人にはケアマネジャーを紹介することで介護サービスとつなげ、要支援の人には介護予防のプランを提供し、要介護でも要支援でもない人の見守りや、ちょっとした手助けが必要な人には手助けを受けられるようにボランティアを紹介します。
そのほか高齢者の虐待防止や消費者被害などの対応、成年後見制度の活用まで幅広い分野をカバーします。このため「包括」のスタッフは専門業務のみを行うのではなく、相談を受けた人を中心として連携して対応していきます。相談の来訪者を待つばかりではなく、不安や相談事があるのに来られない高齢者とコンタクトをとるため、各行政センターにも月1回程度窓口を設けたり、自治会館や人の集まる場所に「包括」の存在をPRしたチラシを配っています。高齢で窓口まで来られない人も多いため、連絡があると自宅まで出かけたりもします。地域に孤立した高齢者がいると聞けば信頼関係を築くため毎日通い詰め、ようやく相談業務が始まることもあるそうです。
また、それぞれの「包括」が高齢者の集まる場所に出向き、かんたんな健康チェックや相談を催すこともあります。「予防」も包括の業務のうち。早めの対応が介護の予防につながるのです。「相談」と「予防」を受け持つ「包括」は、まさに地域の高齢者に関する『よろず相談所』。今回は地域の特性も考えて、鎌倉市社会福祉協議会(以下、「社協」)の運営する「包括」と、昨年度新しく出来た特養「ふれあいの泉」が運営する「包括」を取材しました。
「社協」の「包括」は鎌倉市御成町の鎌倉市福祉センター2Fの社協事務局に窓口を置き、鎌倉地区を担当しています。もともと鎌倉地域は広いのですが、社協は福祉系のボランティア団体の窓口。そのネットワークを活用して孤立した高齢者とボランティアをつなげます。また「予防」事業として今年の4月から2カ月に1回、ティールーム開催も始めました。簡単な体操や健康相談を行い、参加者同士が交流する場を作ることで支えあいを促し、介護状態を予防します。回を重ねるごとに人数は増え、現在は30人ぐらいが訪れます。福祉センター2F は市民が利用できる会議室がある公民館的存在。人が集まる場所であることを生かして高齢者同士や訪問者に出会いの場を設定し、自然な形で地域とのつながりを作ろうという社協らしい事業だと感じました。
一方、大船地域の「包括」は、今泉に昨年5月にオープンした特養「ふれあいの泉」と同じ法人が運営し、特養のすぐ近くにデイサービスセンターと併設した窓口があります。この地域の今泉台は高齢化率が40%を超え、問題は深刻です。ふれあいの泉の包括は、保健師・主任ケアマネジャー・社会福祉士の他、予防プランナーの4人が受け持ちます。通常の包括のスタッフ数より独自に1人増員することで、高・高齢化地域に対応しているのです。4人は担当エリアを区分して巡回しますが相談件数は月に約500件。本人や家族、民生委員など様々な人から情報が寄せられ、介護保険制度自体への質問も多いようです。ここでは『とにかく地域に出て行く』を合言葉に交流活動には積極的に参加します。民生委員などキーマンとのつながりを大切にしながら、相談者を地域につなげるためです。
たまたま取材した日は「包括」のすぐそばにある町内会館で、自立した高齢者向けの「おしゃべり会」が開催されていました。会は民生委員を含む自治会(町内会)のボランティアを中心に「包括」のスタッフも参加。20名ほどの高齢者が、お茶と手作りのちょっとした軽食がふるまわれるなか和気あいあいと過ごします。包括のスタッフは介護保険制度のお知らせや健康相談、体操などを担当し、介護保険制度のPRとともに高齢者の状態の把握に努めていました。
特養「ふれあいの泉」の施設長であり地域コーディネーターの草分け的存在の福島さんは語ります。「高齢者を支えるために、サービスや施設を介護保険で利用できるようになりました。『包括』は高齢者の相談に応じることで、人とサービスをつなげるお手伝いをしますが、高齢化が進む中、それだけではとても追い付きません。地域の人たちがつながりを密にして支えあうことが重要です。高齢者の問題は、結局は地域の問題でもあるのです。」お話を聞いて、様々な人が交流してつながり、支えあい、元気のある地域になることが高齢者問題の解決につながるのではないかと思いました。地域に根差した「包括」はその仲介役として、これからますます重要な存在になっていきそうです。
◆「鎌倉介護ガイド」地域包括支援センターのページ
【施設分類】地域包括支援センター
【施設情報】
○鎌倉市社会福祉協議会地域包括支援センター
住所:神奈川県鎌倉市御成町20-21
電話:0467-61-2600
FAX:0467-61-2601
URL: http://www.kamakura-shakyo.jp/p05.html
アクセス:JR鎌倉駅より徒歩5分
※ティールーム開催予定は、鎌倉市社会福祉協議会地域包括支援センターにお尋ねください。
○ふれあいの泉地域包括支援センター
住所:神奈川県鎌倉市今泉2-4-10
電話:0467-43-5977
FAX:0467-43-5978
E-mail:houkatu-izumi@reijukai.or.jp
アクセス:JR大船駅より江ノ電バス「鎌倉湖畔循環」(約15分)バス停「福泉」より徒歩1分
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