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こどもと高齢者のアートセラピー

Img_5431_2  老人ホームの入居者さんが子どもたちと一緒に交流する時間があるとうかがって訪ねました。藤沢にある有料老人ホーム・サンフォーレ鵠沼の明るいダイニングで入居の高齢者さん15名が、いまかいまかと子どもたちを待っています。そこに幼児教室スコーレに通う2~6歳の元気いっぱいの子どもたち17名がやってきました。子どもたちはごあいさつした後、入居者の間に入ってさっそく手遊び歌をひろうします。「アンパンマンの歌」「ひげじいさん」「糸をまき」など、高齢者にはやや新し目の曲ですが、躊躇することなく自然な流れで手遊びに参加し、子どもたちにも入居者にも笑顔がこぼれます。Img_5450

いよいよ工作の時間。今日のテーマは「丸」。アートセラピーを担当する篠原さんがいろんな丸いものを出し、「丸」渡しゲームの始まりです。ボール、丸こんにゃく、ゆで卵。でも篠原さんは「もの」の名前を教えません。シニアさんからこどもへ子どもからシニアさんへ次々に「丸いもの」を渡しあって行きます。ものの正体を感覚を頼りに「なんだろう?」と推理もします。丸いものがみんなの手から手へ一周し終わって戻ってくると、ようやくタネ明かし。正体がわかると、な~るほど、とうなずく参加者もいます。

Img_54643_2  そんなゲームが終わると、今度は色とりどりに着色した卵の殻が渡されました。これを割って、両面テープがついた黒く丸い台紙に張り付けていくのです。ボランティアのスタッフが見守る中、子どもたちは熱中し、高齢者がちょっと手助けすると、台紙は見る間に殻で色鮮やかになっていきます。

黒丸台紙を集めてさらに大きな台紙にはると・・・大きな花咲く樹になりました!
「うわあ・・・」子どもたちと入居者から歓声が上がりました。バラバラに作った黒丸台紙がひとつの大きな絵になったのです。子どもImg_5481 がその樹に名前をつけて工作は終了です。子どもたちはさらにお遊戯を披露し高齢者にタッチして「またくるね」と帰って行きました。

今回のアートセラピーは丸をテーマに、触ること、渡しあうこと、作ること、興味を持って形を見ることでお互いを刺激しました。参加者は「次はなんだろう」というワクワク期待して、次第に豊かな表情を見せてくれます。見守っていた施設のスタッフが教えてくれました。「シニアさんは子どもたちから生きる元気をもらうみたいです。子どもが来るとちょっと疲れるけれど、とても楽しい、とおっしゃるんですよ。生活のほとんどに介助が入る状態のシニアさんたちが、子ども達に会うことで、自分が世話をしImg_5492 てあげたいという気持ちに自然なるのは素晴らしいことです。私たちも普段より気を使いますが、1ヶ月に一度の子どもたちとの出会いの時間が大好きなんです。」
幼児教室の先生もおっしゃいます。「こどもたちは最初シニアさんたちの顔が同じに見えると言っていましたが、今はみんな違うんだとわかっています。次はシニアさんにこんなことしてあげようよ、こんな歌なら喜ぶよ、と自分たちで話すほど高齢者のことを考え、一緒の時間を楽しみにしているんです。」

子どもたちと高齢者が交流し、あったかくって豊かな時間を共有しているようでした。

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