交流の場

幸寿苑の納涼祭

Entrance 雨続きの今夏では珍しくスカッと晴れた8/8(土)の夕方から、鎌倉関谷地域にある老健 鎌倉幸寿苑の納涼祭にうかがいました。

老健は医療施設。地域への一般開放には制度的に限度があるのだそうで、納涼祭は年に一度の機会とのこと。この日のためにスタッフは3ヶ月間準備をして、入居者はもとより家族や地域の方をお呼びします。エントランスを入るとロビー階ではいくつかの地域の方たちが手作りのお菓子やパン、アクセサリーや小物を販売しています。会議室はフリーマーケット場に変わりました。

Img_7595 メイン会場の屋上テラスでは地域から借りてきたという提灯に明かりがつき、特設ステージでは子どもたちのお囃子も披露されます。焼き鳥やおでん、焼きそばの模擬店は大繁盛。施設職員のほかに民生員さんたちも売り子さんとして手伝っています。子ども神輿が屋上を練り歩いた後、いよいよ日も落ちてフラダンスが始まりました。なぜか男性も女性と同じフラの衣装で踊りますが、何カ月も前から特訓を重ねたかいあって、とても華やかでユーモラス。参加者の笑顔を誘っていました。Hula

この納涼祭は年々参加者が増え、今では500人以上が訪れるとうかがいました。納涼祭と学校の体験授業受け入れが、幸寿苑での地域との接点なのだとか。準備の丁寧さとスタッフのホスピタリティーから地域への思いが伝わります。一方、お手伝いをする地域の皆さんからも「支えていこう」という気持ちが感じられました。

多くの施設が、開設時は地域とのコミュニケーションをどうとっていくかで苦労があると聞きます。9年間で相互に理解を重ねた幸寿苑の納涼祭は「そんな苦労」の解決方法の一つを示しているようにも感じられました。

|

こどもと高齢者のアートセラピー

Img_5431_2  老人ホームの入居者さんが子どもたちと一緒に交流する時間があるとうかがって訪ねました。藤沢にある有料老人ホーム・サンフォーレ鵠沼の明るいダイニングで入居の高齢者さん15名が、いまかいまかと子どもたちを待っています。そこに幼児教室スコーレに通う2~6歳の元気いっぱいの子どもたち17名がやってきました。子どもたちはごあいさつした後、入居者の間に入ってさっそく手遊び歌をひろうします。「アンパンマンの歌」「ひげじいさん」「糸をまき」など、高齢者にはやや新し目の曲ですが、躊躇することなく自然な流れで手遊びに参加し、子どもたちにも入居者にも笑顔がこぼれます。Img_5450

いよいよ工作の時間。今日のテーマは「丸」。アートセラピーを担当する篠原さんがいろんな丸いものを出し、「丸」渡しゲームの始まりです。ボール、丸こんにゃく、ゆで卵。でも篠原さんは「もの」の名前を教えません。シニアさんからこどもへ子どもからシニアさんへ次々に「丸いもの」を渡しあって行きます。ものの正体を感覚を頼りに「なんだろう?」と推理もします。丸いものがみんなの手から手へ一周し終わって戻ってくると、ようやくタネ明かし。正体がわかると、な~るほど、とうなずく参加者もいます。

Img_54643_2  そんなゲームが終わると、今度は色とりどりに着色した卵の殻が渡されました。これを割って、両面テープがついた黒く丸い台紙に張り付けていくのです。ボランティアのスタッフが見守る中、子どもたちは熱中し、高齢者がちょっと手助けすると、台紙は見る間に殻で色鮮やかになっていきます。

黒丸台紙を集めてさらに大きな台紙にはると・・・大きな花咲く樹になりました!
「うわあ・・・」子どもたちと入居者から歓声が上がりました。バラバラに作った黒丸台紙がひとつの大きな絵になったのです。子どもImg_5481 がその樹に名前をつけて工作は終了です。子どもたちはさらにお遊戯を披露し高齢者にタッチして「またくるね」と帰って行きました。

今回のアートセラピーは丸をテーマに、触ること、渡しあうこと、作ること、興味を持って形を見ることでお互いを刺激しました。参加者は「次はなんだろう」というワクワク期待して、次第に豊かな表情を見せてくれます。見守っていた施設のスタッフが教えてくれました。「シニアさんは子どもたちから生きる元気をもらうみたいです。子どもが来るとちょっと疲れるけれど、とても楽しい、とおっしゃるんですよ。生活のほとんどに介助が入る状態のシニアさんたちが、子ども達に会うことで、自分が世話をしImg_5492 てあげたいという気持ちに自然なるのは素晴らしいことです。私たちも普段より気を使いますが、1ヶ月に一度の子どもたちとの出会いの時間が大好きなんです。」
幼児教室の先生もおっしゃいます。「こどもたちは最初シニアさんたちの顔が同じに見えると言っていましたが、今はみんな違うんだとわかっています。次はシニアさんにこんなことしてあげようよ、こんな歌なら喜ぶよ、と自分たちで話すほど高齢者のことを考え、一緒の時間を楽しみにしているんです。」

子どもたちと高齢者が交流し、あったかくって豊かな時間を共有しているようでした。

|

紅茶ボランティア(特養鎌倉静養館)

Aono 毎月1回、由比が浜にある特養鎌倉静養館で紅茶ボランティアが開かれています。もともと皆さんに紅茶の美味しさを楽しんでもらいたいと、1年前から子育てママで紅茶インストラクターの青野さんが入居者さんに、選びに選んだ紅茶をふるまったのが始まり。それなら私たちもとお仲間のママ達が手伝い始め、どなたかが子どもを連れて来たのが好評だったことから、いつの頃からか入居者さんと子連れのママとのおいしい紅茶をはさんで共に過ごす「まったりした時間」になりました。

Kito 3月のこの日は2歳になるひろくんとしょうこちゃんがママ達と一緒にやってきました。約20名の入居の皆さんが入れ替わり立ち替わり施設の用意してくれたケーキで青野さんの入れてくれた香り高い紅茶をママたちといただきます。

ふだん静かに過ごす入居の皆さんには子どもたちの休みなく動く元気や人みしりの思うように行かない様子も、いつもとちがう刺激なのでしょう。「かわいいね」「けがさせないでね」「げんきだね、いくつ?」そんな声と慈しむような目線が子どもたちにそそがれます。子どもから目を離せなくって仲間としか話す機会がないママたちも、今日はたくさんの見守りがあって安心してくつろいだ気分のようです。Akushu

たわいないおしゃべりとおいしいお茶のティータイム。高齢者子育てママ双方に心地よい紅茶ボランティアは特養鎌倉静養館では今回限りの定期開催となりました。でも子育てママと高齢者は紅茶の後も立ち去りがたいようで、「また会おうね」そんな香りを残しながらおひらきとなりました。来年度は不定期ながらも再開の機会が設けられるようです。

|

老人福祉センター 玉縄すこやかセンター

Outlook 仲間を見つけ、趣味を楽しむことは健康を保つ方法の一つです。隣近所、公園や自治会館など交流の場は様々ですが、高齢者を対象に健康を保ついこいの場・文化教養活動の場として市内には老人福祉センターが設置されています。名越に「やすらぎセンター」、笛田に「教養センター」、今泉に「さわやかセンター」、玉縄に「すこやかセンター」と腰越にある「老人いこいの家こゆるぎ荘」がそれで、現在は社会福祉法人鎌倉市社会福祉協議会が運営しています。どのセンターも市内在住60歳以上の方対象で費用は無料ですが、実際は70歳代からの利用が多いようです。今回は5施設のうちの1つ、玉縄すこやかセンターを訪問しました。Gateball

玉縄すこやかセンターはJR大船駅西口から清泉女学院行きバスで3分、玉縄台の閑静な住宅街にあります。入口に立つとまず目を引くのが立派な藤棚。その下にはベンチがあるので天気の好い日は外での会話も弾みます。裏手にはゲートボール場やグラウンドがあり、とても広々としています。建物の中は、いろいろな行事で使う大広間やサークル活動のための部屋、畳のちょっとした図書コーナーにゆったりソファーの交流スペースなどがあります。斜面を利用した建物のため段差はありますが、開放感のある吹き抜けと明るい日差しが気持ちいい。お風呂にはマッサージ機器なども設Hiroma_2 置され心身共にリフレッシュが可能です。立ち寄って一服するもよし、約30あるサークル 活動や講座などに参加するもよし、お風呂でゆったり気分に浸るのも自由です。また月4回の健康相談や福祉の相談も実施されているので、相談窓口としても気軽に利用できます。

現在、玉縄すこやかセンターでは1日約100人の利用があります。一般の人が利用できる駐車場がなく、バリアフリーの建物でもないため自立した高齢者がほとんどです。スタッFuro フの方は、利用者自身で支えあえる関係がこの場から生まれてくれたら嬉しいとおっしゃっていましたが、センターを見学するとそんな思いが随所から窺えます。浴室の洗面所にはちょっとした長椅子が置かれています。お風呂は気分が開放されるくつろぎの場であり、裸のつきあいから話が弾む「出会いの場」という配慮からです。また、交流スペースの机には布巾が置いてあり、『机が濡れたらこの布巾を使って下さい』というメッセージがついています。何もない机よりずっと温かく思えます。スタッフが黒子になってちょっと工夫することで血の通った場になるのだと感じました。そんなところが功を奏してか、気の合う同士が病気の時などは助け合っていると言う話もききました。Passage_2

老人福祉センターがお年寄りのためだけでなく、近隣の人が年齢に関係なく気軽に立ち寄れるようになると、さらに利用者も施設もイキイキして、元気な地域の拠点ができると感じました。

生きがいのための施設」へ戻る

【施設分類】老人福祉センター
【施設情報】
住所:神奈川県鎌倉市玉縄5-9-1
電話・FAX番号:0467-47-1338
URL:http://www.kamakura-shakyo.jp/p06_tamanawa.html
アクセス:JR大船駅西口5番乗り場、神奈中バス「清泉女学院」行き「玉縄台」バス停    徒歩1分
駐車場:なし
利用時間:午前9時から午後4時(お風呂は午前10時30分から午後3時30分)
開設:昭和58年
施設内容:大広間、教養娯楽室、図書コーナー、交流スペース、事務室、相談室、ゲートボール場、グラウンド
【費用】無料
【運営母体】社会福祉法人鎌倉市社会福祉協議会

※以上、取材による(データは平成20年9月現在のもの)

○市内各老人福祉センターの情報はこちら↓
http://www.kamakura-shakyo.jp/p06.html

|